はじめに

92年の1月から95年の5月まで、ニューヨーク市のブルックリンにある、プラット・インスティテュートとゆう美術大学に私は通っていた。そして、そこで多くの作品を制作した。しかし、卒業後、作品は制作していたものの様々な事情により作品を展示する機会を逃していた。そこで、今回このWEB SITEを作ることにした。このWEB SITEの多くの作品はプラットにいる間に作ったものなので、「Art School Art Exhibition on The Web」と言ったところだろうか。
プラットにいる間の私のメジャー (専攻) はファイン・アートだったが、アートばかりではなく、デザイン、フィルム、そして文章を書くことなどを、 平行してしばらくはやっていきたいと考えている。この先、ある特定のメディア(媒体)に集中することも考えられるが、先のことはあまりよく分からないことだし、必要性や動機などによってメディアを選んでいく方が、自分には合っていると思う。
ドローイング(線描、スケッチ)や文章を書いたりすることはいつも行っている。少しづつでも、続けられる方法をとっていこうと思う。正直なところ、プラットにいた頃に比べ、今は創作活動をしていく上であまりいい環境にいるとは言えない。私はいま何かを創造するのに、より良い環境を得るために努力しているところだ。しかし、芸術は長い道のりだと思うし、今がまだ始まったばかりだと思う。
私にとって、芸術とは芸術のための芸術。また、ある視点では、芸術は上質で知的なエンターテイメントだ。また、芸術は視覚についてだけではなく、言葉、音、そしてその他の知覚やメディア(媒体)についての学問だ。そして、それはジャーナリズムや批評の一部でもある。幾らかの批評家は、ただ言葉だけを用いて考え伝達している。しかし、私達は時には人間の知覚の限界に挑戦し、多様なメディア(媒体)を使う試みをしなければならない。また時には作品の欠如は、批評の欠如でもある。私にとって「芸術とは何か」を短い時間で語るのは難しい。しかし、このWEB SITEでその幾らかは知ることができると思う。

1999

伊藤 祐二

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